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ちゝご
カピ妻 あれ、
父御がわせた。
自身で
然う
言うて、
父御がそれを
其方から
聞いて、
何と
思はしゃるかを
見たがよい。
聞上は假令夫婦になられずとも本望なり
然ば此品
暫時借用申すと
受納め立歸らんとするにお菊は
涙を
浮め此程より申せし通り
父御は御身を入ず
外より金を持參の
聟を
然るに
或日五十歳ばかりの男來りて忠兵衞に
逢私し事は
木綿島村の甚太夫殿より頼まれて來りし者なるがお時樣の
父公甚太夫殿此節
俄に大病とて
打臥居られ候間此
由お時樣へ御咄し下さるべしと申
故忠兵衞は
早速に此段を