“たいち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大地44.4%
太一22.2%
大癡11.1%
多市11.1%
太市11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日はただれ、大地たいちはあはれ柚色ゆずいろ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それから戦災者で手塚家に同居している会社員の平林ひらばやしさんとおくさん、そのおくさんの妹のみよ子おばさん、中学生の太一たいち君、まだ学校へ行かぬ太一君の小さい妹ふたり
青銅の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
何でも坊間ぼうかんの説によれば、張氏の孫は王氏おうしの使を受けると、伝家の彝鼎いていや法書とともに、すぐさま大癡たいちの秋山図を献じに来たとかいうことです。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
煙客翁はこう言いながら、壁上の大癡たいちを仰ぎ見ました。この秋山がかつて翁の見た秋山かどうか、それはもちろん誰よりも翁自身が明らかに知っているはずです。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「江戸浅草の今戸いまどで、こちらは親分の唐草銀五郎からくさぎんごろう、わっしは待乳まつち多市たいちという乾分こぶんで」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おっと、それどころじゃねえ」すぐ性根しょうねになった。「この大金、もしものことがあった日にゃ、お眼がねで供をしてきた正直多市たいちがどうなるんだ」とうとう南京なんきん手品をあきらめて歩きだした。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
支倉との間に出来た太市たいちという今年六つになる男の子は、少し虚弱な質で、冬になると直ぐ風邪を引いて熱を出したりするので、一月の初めから温かい海岸にいる親切な信者の所へ預けてあった。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)