多市たいち)” の例文
「江戸浅草の今戸いまどで、こちらは親分の唐草銀五郎からくさぎんごろう、わっしは待乳まつち多市たいちという乾分こぶんで」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おっと、それどころじゃねえ」すぐ性根しょうねになった。「この大金、もしものことがあった日にゃ、お眼がねで供をしてきた正直多市たいちがどうなるんだ」とうとう南京なんきん手品をあきらめて歩きだした。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)