“こんじやく”の漢字の書き方と例文
語句割合
今昔100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さばかり間遠まどほなりし逢瀬あふせなるか、言はでは裂けぬる胸の内か、かく有らではあきたらぬ恋中こひなかか、など思ふに就けて、彼はさすがに我身の今昔こんじやくに感無き能はず、枕を引入れ、夜着よぎ引被ひきかつぎて、寐返ねがへりたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
僕は天神橋てんじんばしたもとから又円タクに乗ることにした。この界隈かいわいはどこを見ても、——僕はもう今昔こんじやくの変化を云々うんぬんするのにも退屈した。僕の目に触れるものはなかば出来上つた小公園である。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
花のもとの半日のかく、月の前の一夜の友も、名殘は惜しまるゝ習ひなるに、一向所感の身なれば、先の世の法縁も淺からず思はれ、流石さすがの瀧口、かぎりなき感慨むねあふれて、轉〻うたゝ今昔こんじやくじやうに堪へず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)