“きょねん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
去年96.5%
昨年3.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことに去年きょねんからのここら全体ぜんたい旱魃かんばつでいま外へあそんで歩くなんてことはとなりやみんなへわるくてどうもいけないということを云った。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
若君わかぎみはもうお忘れでございましょうが、去年きょねん、お父上ちちうえ勝頼かつよりさまに僧侶そうりょをおしたいなされて菊亭家きくていけへおしあそばしたことを」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの阿米およねといいましてちょうど十八になりますが、親なしで、昨年きょねんの春まで麹町こうじまち十五丁目辺で、旦那様、えのきのお医者といって評判の漢方の先生、それが伯父御に当ります
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……それから七年目、つまり昨年きょねんの春、ふとした手がかりで、その少女がアントワープにいることをつきとめましたが、私がまいりました時は既にこの世のひとではなかったのです。
キャラコさん:01 社交室 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
昨年きょねんのことで、妙にまたいとこはとこがからみますが、これから新宿の汽車や大久保、板橋を越しまして、赤羽へ参ります、赤羽の停車場ステエションから四人づめばかりの小さい馬車が往復しまする。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)