“きえう”の漢字の書き方と例文
語句割合
消失100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これを聞いてかれは思わず手を差延べて、いだこうとしたが、触れば消失きえうせるであろうと思って、悚然ぞっとして膝に置いたが、打戦うちわななく。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
名物の煎餅屋せんべいやの娘はどうしたか知ら。一時跡方あとかたもなく消失きえうせてしまった二十歳時分はたちじぶんの記憶を呼び返そうと、自分はきょろきょろしながら歩く。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かかるうちにも心にちとゆるみあれば、煌々こうこう耀かがやわたれる御燈みあかしかげにはかくらみ行きて、天尊てんそん御像みかたちおぼろ消失きえうせなんと吾目わがめに見ゆるは、納受のうじゆの恵にれ、擁護おうごの綱も切れ果つるやと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)