“おくぐるわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
奥曲輪77.8%
奥郭22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この方面の火は、さきに城中の者がみずから放った奥曲輪おくぐるわの火とつながって、忽ち半城を蔽うばかりの火勢となった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まるで奥曲輪おくぐるわ玩具おもちゃみたいに見られていた長閑斎は、この日、光秀光春の妻子から老幼すべての者の最期までを見届け終ると、やがて矢倉にのぼっていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ばらばらと櫓梯子やぐらばしごりると、ふたりは文字もんじ奥郭おくぐるわ内部ないぶへはいった。そして、岩壁がんぺき洞窟どうくつ利用りようしててられてある、とりでの本丸ほんまるのなかへ走りこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥郭おくぐるわの深園にいるお方、どうして、私などが近づけましょう。言葉を交わしたことなどありません」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹童ちくどうをのこして、陣馬じんばはら花畑はなばたけ危変きへんをのがれてきた咲耶子さくやこが、とりでの奥郭おくぐるわへとびおりざま、狂気きょうきのように、櫓番やぐらばん武者むしゃだまりのさむらいへ、声をからして、んでもさけんでも、ひとりとして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、火薬かやくからえひろがりそうな奥郭おくぐるわへザッザと水をかけさせている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)