“あぶらあせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
膏汗46.6%
脂汗39.0%
油汗10.2%
膩汗4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが、あたしの弱かつたのはお灸のせゐだといまでは思つてゐる。なぜならば、膏汗あぶらあせ精根せいこんを五ツ六ツのころからしぼりつくしてゐるのだ。
お灸 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
その沈黙はたちまちのように、色を失った陳の額へ、冷たい脂汗あぶらあせを絞り出した。彼はわなわなふるえる手に、戸のノッブを探り当てた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
耳は火のようにほてり、鼓動こどうは高鳴り、電鍵でんけんを握る指端したんにはいつの間にかシットリと油汗あぶらあせにじみ出ていました。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
に彼は熱海の梅園にて膩汗あぶらあせしぼられし次手ついで悪さを思合せて、憂き目を重ねし宮が不幸を、不愍ふびんとも、いぢらしとも、今更に親心をいたむるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)