無數むすう)” の例文
新字:無数
これは吾人ごじん日々ひゞ會話くわいわ新聞しんぶんなどにも無數むすう發見はつけんするが、たとへば、ちかごろ何々日といふはりに何々デーといふ惡習あくしふが一おこなはれてゐる。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
しかもロンドン以外いがいまちにもわが東京とうきよう帝室博物館ていしつはくぶつかんぐらゐのものが無數むすうにあるのは、なんとうらやましいことではありませんか。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
かれところによると、清水谷しみづだにから辨慶橋べんけいばしつうじる泥溝どぶやうほそながれなかに、春先はるさきになると無數むすうかへるうまれるのださうである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いまではふたゝび、もとのとほこずゑたかし、しげつてる。暴風雨ばうふううまへ二三年にさんねん引續ひきつゞいて、兩方りやうはう無數むすう椋鳥むくどりれてた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鎔岩ようがん無數むすう泡末ほうまつふくまれたものは輕石かるいしあるひはそれに類似るいじのものとなるのであるが、その小片しようへんはらぴりとづけられ、火山灰かざんばひとも遠方えんぽうにまではこばれる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
心部しんぶまれつゝある木材もくざいあかひしばつたやうな無數むすうひゞけぶりとをいてた。勘次かんじほとんど惘然ばうぜんとして急激きふげき變化へんくわた。かれあしもとが踉蹌よろけほど疾風しつぷうかれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
青い赤い無數むすうたましひの落ちかかる夜。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのほかフランスの洞穴ほらあなには、これとよくや、すこおもむきことにするが、無數むすうにありますが、一風いつぷうかはつたかた舊石器時代きゆうせつきじだいみとめられるものは
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
あたま徃來わうらいとほるものは、無限むげん無數むすう無盡藏むじんざうで、けつして宗助そうすけ命令めいれいによつて、まることやすこともなかつた。らうとおもへばおもほど滾々こん/\としていてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
印度教いんどけうるものは、いづれも不思議ふしぎばんなものばかり、三めんとかかほ手足てあし無數むすうなものとか、半人はんにん半獸はんじう半人はんにん半鳥はんてうなどのるゐ澤山たくさんある。佛教ぶつけうの五だい明王等めうわうとう印度教いんどけうからる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
なにより、いやな、可恐おそろしかみなりつたのです。たゞさへれようとする心臟しんぞうに、動悸どうきは、破障子やれしやうじあふるやうで、ふるへるみづの、みづよりさき無數むすうが、くちはな飛込とびこんだのであります。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
勘次かんじ矢立やたてごと硬直かうちよく身體からだ伸長しんちやう屈曲くつきよくさせて一/\とはこんだ。かれ周圍しうゐ無數むすう樹木じゆもくいてさゝやくのをみゝれなかつた。加之それのみでなくかれ自分じぶん耳朶みゝたぶらるさへこゝろづかぬほど懸命けんめい唐鍬たうぐはつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
イタリイにきますと、ローマにはバチカン博物館はくぶつかんはじめ、古美術品こびじゆつひん陳列ちんれつした博物館はくぶつかんふたつありますし、ネープルスやフローレンス、ミランそのほかにも大博物館だいはくぶつかん無數むすうにあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
また無數むすう山蟻やまありたになか歩行ある跫音あしおとのやうである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
が、とゞくほどは、何處どこまでも、無數むすうぶ。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)