“耳朶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みみたぶ51.9%
じだ23.1%
みゝたぶ10.4%
みみたぼ8.0%
みゝたぼ2.8%
みみ1.4%
じた0.5%
ほたれ0.5%
みみのは0.5%
みみもと0.5%
みゝたぶら0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金色の髪は、耳朶みみたぶを掠めて頬を流れ、丸い玉のような肩に崩れ落ちた。それを左の手でそっとき、また右の手でゆっくりと梳いた。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それは何か巨像が金剛こんごうの信を声に発したように二人の耳朶じだを打った。はっと、ぬかずいてしまうしか他の意志のうごくすきもなかった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明色めいしよくの髪の毛には、菫の輪飾が戴かせてある。耳朶みゝたぶにはアウリカルクムの輪が嵌めてある。きらめく宝石の鎖が胸の上に垂れてゐる。
クサンチス (新字旧仮名) / アルベール・サマン(著)
「ジュリアの耳飾みみかざり右の方のはチャンとしていたけれど、左のは石が見えなくて金環きんかんだけが耳朶みみたぼについていたというのは面白い発見だネ」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
凍傷で足のゆびが腐って落ちた者がある。上唇を弾丸で横にかすり取られた者がある。頭に十文字に繃帯をして片方のちぎれかけた耳朶みゝたぼをとめている者がある。
氷河 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
三成の耳朶みみは、紅かった。——刑部は自分のほうへ、彼がズズと畳をずる音をさせて来たので、ハッと肩を持ち直した。
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その響きが耳朶じたに達するたびに、市長は自分の理想が滅茶苦茶に破砕されてゆくことを悲しんだ。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
耳朶ほたれに懸けしこがね
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
彼女の耳朶みみのは 陽に透きました。
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
「どこから。」といって勇美子は嬉しそうな、そしてつむりを下げていたせいであろう、耳朶みみもとに少し汗がにじんで、まぶちの染まった顔を上げた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勘次かんじ矢立やたてごと硬直かうちよく身體からだ伸長しんちやう屈曲くつきよくさせて一/\とはこんだ。かれ周圍しうゐ無數むすう樹木じゆもくいてさゝやくのをみゝれなかつた。加之それのみでなくかれ自分じぶん耳朶みゝたぶらるさへこゝろづかぬほど懸命けんめい唐鍬たうぐはつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)