“まつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マツ
語句割合
30.6%
25.3%
9.0%
7.1%
5.0%
4.8%
3.8%
3.7%
1.6%
1.1%
松明1.0%
1.0%
0.8%
0.8%
0.6%
0.6%
0.5%
0.3%
0.3%
松樹0.3%
0.3%
0.2%
松火0.2%
松飾0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
魔憑0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ればそこらじゅうが、きれいな草地くさちで、そして恰好かっこういさまざまの樹草じゅそう……まつうめたけ、そのがあちこちに点綴てんせつしてるのでした。
庭の奥の林の中には、近所の百姓地で荒れ放題になっていたという、稲荷様のほこらを移して、元のままながら小綺麗にまつってあります。
では今日はその銀河ぎんがのおまつりなのですから、みなさんは外へでてよくそらをごらんなさい。ではここまでです。本やノートをおしまいなさい
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しばらくはわが足にまつわる絹の音にさえ心置ける人の、何の思案か、と立ち直りて、ほそき手の動くと見れば、深き幕の波を描いて
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あとには、一まつの土埃が細く揺れ昇って、左馬之介のおちた崖の端に、名もない雑草の花が一本、とむらい顔に谷をのぞいている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それがため幸いにも純粋な血が保たれたのである。この事は品物の血をも清くしたと私は思う。村は挙げて鮮祖檀君だんくんを今もまつる。
苗代川の黒物 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
明月記は千しやの書なれば七は六のあやまりとしても氷室をいでし六月の氷あしたまつべからず。けだし貢献こうけんの後氷室守ひむろもりが私にいだすもしるべからず。
ここへ移ってからも、お増の目には、お千代婆さんの家で、穴のあくほど見つめておいた細君の顔や姿が、始終まつわりついていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
かれ出雲いづもに到りまして、大神おほかみを拜みへて、還り上ります時に、の河一八の中に黒樔くろすの橋一九を作り、假宮を仕へまつりて、さしめき。
また近頃ちかごろつくつたあたらしい勾玉まがたま模造品もぞうひんは、そのあなまつすぐに筒形つゝがたにあいてゐますが、ふる勾玉まがたまはたいてい一方いつぽうあるひは兩方りようほうから圓錘形えんすいけいちかあなひらいてをり、このあなのあけ工合ぐあひでも
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
我は嘗ておん身をめとりしことなし。誰かおん身が婚儀の松明まつを見しものぞ。この詞を聞きたるときの心をば、ヂドいかに巧にその眉目の間に畫き出しゝ。
ヘエ。「同じ牛でもどうも、五くらゐいたといふ事を聞きましたがまつたくでございますか。 ...
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
愛はまつたき益にして、必らずや、身の利とならむ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ラプランドの夏もすぎて、いつのまにか、九月のまつになりました。地上は見わたすかぎり、いちめんの雪におおわれて、まっ白です。雨やあらしの日が多くなりました。
あなたのおかげで、わたし共の世界が元どほりに、まつすぐになりましたことは、誠に御礼の申さうやうもないことでございます。
夢の国 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「フィリップ殿下には、大分いろいろなお噂がまつわりついていることは、御職業柄、あなたももちろん御承知でしょうね?」
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
その年ごろや風俗がこのあいだの晩、両国の橋番小屋の外にうろついていた男によく似ているらしいので、半七はいよいよ彼とお鉄とのあいだに何かの因縁のまつわっていることを確かめた。
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
吾が同郡どうぐんをかまち旧家きうか村山藤左ヱ門はむこの兄なり。此家に先代より秘蔵ひさうする亀の化石くわせきあり、つたへていふ、ちか山間さんかんの土中より掘得ほりえしといふ、じつに化石の奇品きひんなり、こゝあげ弄石家ろうせきかかんまつ
「笑談言っちゃいけねえ。俺あ旅から旅と果なしに渡り歩く体だ、お前なんかにまつわられてたまるものか。いいじゃねえか、お前も女と生れた仕合せにゃ、誰でもまた食わしてくれらあ。それも気がなきゃ、元の万年屋がとこへけえるのさ。」
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
猶來ること數町、われより強ゆる更に數次なるに及び、さらばとて立留りしは、町を既に遠く離れて、路の少しく右に曲りたる、一株の松樹まつの面白く立てる處なりき。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
新発田しばたより(蒲原郡)東北加治かぢといふ所と中条といふ所の間みちかたはら田の中に庚申塚あり、此塚の上に大さ一尺五寸ばかりのまろき石をちんしてこれをまつる。
親類しんるいかほうつくしきもければたしとおもねんもなく、裏屋うらや友達ともだちがもとに今宵こよひ約束やくそく御座ござれば、一まついとまとしていづ春永はるなが頂戴ちやうだい數々かず/\ねがひまする、をりからお目出度めでたき矢先やさき
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
抜いた刀を肩にかつぎ、ヒラリと庭へ躍り出たが、見れば庭園にわの四方八方ありの這い出る隙間もなく鎧武者よろいむしゃヒシヒシと取り囲み、高張り提灯ぢょうちん松火まつ篝火かがりび、真昼の如くえ光り
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
酔興すいきょうなお品がこれに。松飾まつがとれますと、扇箱のお払いものはございませんか、って、裏ぐちから顔を出しますな。あれは、買いあつめて、箱屋へ返して、来新春らいはるまた——。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
暁闇濠ぎょうあんぼりの水面に見たのは、まさしくそうした途端であって、本丸の望楼に身伸びをして見つめていた吉宗と万太郎のひとみには、もうその影が二つとも、一まつの白いものとなって消えていました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あはれ、本覺大悟の智慧の火よ、我が胸に尚ほ蛇の如くまつはれる一切煩惱を渣滓さしも殘らず燒き盡せよかし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
いなたれのとも定らねど、われもでたきものにこそ思ひはべれ。さいつ頃までは、はとあまた飼ひしが、あまりに馴れて、身にまつはるものをイイダいたく嫌へば、皆人に取らせつ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
昨年あねが外国でくなりました時は、取敢えずおこつを嫂の実家の墓地へ同居させてもらっておきましたが、この度兄と一緒にまつることにいたしましたので
情鬼 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
第三種(憑付ひょうふ編)狐憑きつねつき、人狐にんこ式神しきがみ狐遣きつねづかい、飯綱いづな、オサキ、犬神、狸憑たぬきつき、蛇持ち、人憑ひとつき、神憑かみがかり、魔憑まつき、天狗憑てんぐつ
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)