“しづか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シヅカ
語句割合
38.1%
26.7%
11.4%
5.7%
3.8%
静寂1.9%
閑寂1.9%
閑靜1.9%
冷靜1.0%
夜靜1.0%
安静1.0%
安靜1.0%
寂寞1.0%
1.0%
閑静1.0%
静和1.0%
静穏1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
片足かたあしは、みづ落口おちくちからめて、あしのそよぐがごとく、片足かたあしさぎねむつたやうにえる。……せきかみみづ一際ひときはあをんでしづかである。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
古ぼけた葭戸よしどを立てた縁側えんがはそとには小庭こにはがあるのやら無いのやらわからぬほどなやみの中にのき風鈴ふうりんさびしく鳴り虫がしづかに鳴いてゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
緑の枝を手折りて、車の上に揷し、農夫はその下に眠りたるに、馬は車の片側にり下げたる一束のまぐさを食ひつゝ、ひとりしづかに歩みゆけり。
理學士りがくし言掛いひかけて、わたしかほて、して四邊あたりた。うしたみせ端近はしぢかは、おくより、二階にかいより、かへつて椅子いすしづかであつた——
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちてもりしづかに、かぜむで肅殺しゆくさつつるところえだ朱槍しゆさうよこたへ、すゝき白劍はくけんせ、こみち漆弓しつきうひそめ、しもやじりぐ。峻峰しゆんぽうみな將軍しやうぐん磊嚴らいがんこと/″\貔貅ひきうたり。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……水鶏くひなはしるか、さら/\と、ソレまた小溝こみぞうごく。……うごきながら静寂しづかさ。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
閑寂しづかなのも可いけれど、外に客と云ふ者が無くて、まるでかう独法師ひとりぼつちも随分心細いね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
現今いまほどすつかり工場町こうぢやうまちになつてしまはないで、松林に梅雨つゆの雨が煙り、そのすぐ岸近くを行く汽船ふねの、汽笛の音が松の間をぬつて廣がりきこえるほど、まだ閑靜しづかだつた時分、ある家の塀の中に
桑摘み (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
ベンヺ こゝは往來わうらいぢゃ、どうぞ閑寂ひそかところ冷靜しづか談判だんぱんをするか、さもなくばわかれたがよい。衆人ひとるわ。
跡には秋深く夜靜しづかにして、亙るかりがねの聲のみ高し。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
銀之助は直にもう高鼾たかいびき。どんなに丑松は傍に枕を並べて居る友達の寝顔を熟視みまもつて、その平穏おだやかな、安静しづか睡眠ねむりを羨んだらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
第一 毎日まいにちき、寢衣ねまき着替きかへ、蒲團ふとんちりはらひ、寢間ねま其外そのほか居間ゐま掃除さうじし、身體しんたい十分じふぶん安靜しづかにして、朝飯あさはんしよくすること
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
うごくと見えて寂寞しづか
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
中では金井しづか君が少し神経質な処だけ違つてゐるのであつて、主人と杉村博士とは大やうな、ゆつたりした処がほとんど同じなのである。主人。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
向島むかうじま武蔵屋むさしや奥座敷おくざしき閑静しづかからう、丁度ちやうど桜花さくらも散つてしまうた四ぐわつ廿一にちごろと決したが、其披露文そのちらし書方かきかたが誠に面白おもしろい。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
心ばかりは静和しづかなる
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)