“独法師”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとりぼっち66.7%
ひとりぼつち33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わっしもね、これでも十二三のころまでは双親ともにいたもんだが、今は双親はおろか、家も生れ故郷も何にもねえ、ほんの独法師ひとりぼっちだ、考えてみりゃ寂しいわけなんさね。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
金縁きんぶち眼鏡をかけて、細巻ほそまきを用意した男もあった。独法師ひとりぼっちのお島は、草履や下駄にはねあがる砂埃すなぼこりのなかを、人なつかしいような可憐いじらしい心持で、ぱっぱと蓮葉はすはに足を運んでいた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
往日いつか話した通り、私は身寄も友達も無いと謂つて可いくらゐの独法師ひとりぼつちの体だから、気分が悪くても、たれ一人薬を飲めと言つてくれる者は無し、何かに就けてそれは心細いのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
閑寂しづかなのも可いけれど、外に客と云ふ者が無くて、まるでかう独法師ひとりぼつちも随分心細いね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)