“蓮葉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はすは50.0%
はすっぱ26.6%
はすつぱ13.8%
はちすば5.3%
コケツト2.1%
はちすは1.1%
れんえふ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、姿は雨に、月のおぼろに、水髪の横櫛、うなじ白く、水色の蹴出し、蓮葉はすはさばく裾に揺れて、蒼白あおじろく燃える中に、いつも素足の吾妻下駄。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まだ気づかわしそうな眼でほほ笑むと、つと蓮葉はすっぱに男の側へ歩み寄って、「長い事御待たせ申しまして。」と便なさそうに云いました。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「Student には違ひないわよ。」ツル子は、妙に蓮葉はすつぱな調子で歯切れ好く叫んだ。そして滝の悪い凝視を感じたかのやうに
山を越えて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
りやうじゆせんの御池の蓮葉はちすばは、およそ一枚が二間四方ほどひらきて、此かほる風心よく、此葉の上に昼寝して涼む人あると語りたまへば、信長笑わせ給へば、云々
西鶴と科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
が、それにしても、蓮葉コケツトな表情、ごてごてした品のない身なり、變に肉感的センジユアルな姿體には人妻らしい一種の落ち着いた感じは見えなかつた。妾——さうも見られた。
女盗 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
既にして波上の鳥と波底の魚と、一齊にしづまり、鷲の翼の水面みのもおほふこと蓮葉はちすはの如くなりき。
鞘の蒔絵が蓮花、縁頭鍔共ふちかしらつばとも蓮葉れんえふの一本指であつた。榛軒は早晩致仕して、貴顕の交を断ち、此小刀を佩び、小若党一人を具して貧人の病を問はうと云つてゐたさうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)