黒人こくじん)” の例文
しかし諸君の前に一人の黒人こくじんが現われたとする。一眼見れば直ちにその黒人である事がわかるだろう。デュウゼは黒人である。
エレオノラ・デュウゼ (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
と同時に悪魔もまた宗徒の精進しょうじんさまたげるため、あるいは見慣れぬ黒人こくじんとなり、あるいは舶来はくらい草花くさばなとなり、あるいは網代あじろの乗物となり、しばしば同じ村々に出没した。
おぎん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それからアフリカあたりの黒人こくじんまでふくめた現代人類げんだいじんるい比較ひかくしてると、動物學上どうぶつがくじようこれら現代人げんだいじんおなひとつの人種じんしゆにいるべきものではなくて、それとはべつしゆぞくするほどのちがひをしめしてをりますので
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ふとくしてむくつけき黒人こくじんの手ぞ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼等が随喜渇仰ずいきかつごうしたほとけは、円光のある黒人こくじんではありません。優しい威厳いげんに充ち満ちた上宮太子じょうぐうたいしなどの兄弟です。——が、そんな事を長々と御話しするのは、御約束の通りやめにしましょう。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)