黄蓋こうがい)” の例文
献帝は、玉歩ぎょくほを運んで宣平門へ上がった。血に酔って、いていた城下の狂軍は、禁門の楼台に瑤々ようようかざされた天子の黄蓋こうがいにやがて気づいて
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
従う面々には、先の君理、子衡しこうをはじめとして、父の代から仕えて、流浪中も彼のそばを離れずにきた程普ていふ黄蓋こうがい韓当かんとうなどの頼もしい者もいた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一同、その一沓音にふりかえって、誰かと見ると、零陵れいりょう泉陵せんりょうの産、黄蓋こうがい、字は公覆こうふくといって、いま呉の糧財奉行、すなわち大蔵大臣の人物だった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このとき、呉の奇襲艦隊の真中にあった黄蓋こうがいの船は、颯々さっさつと、水煙の中を進んで来て、はや水寨の内へ突入していた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
漢江の岸に、兵船をそろえていた船手方の黄蓋こうがいは、逃げくずれてきた味方に、大将の不慮の死を知って、大いに憤り
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と称して、一夜、周瑜はひそかに一船に乗りこみ、魯粛、黄蓋こうがいなど八名の大将をつれて、曹軍の本拠を偵察に行った。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、それをわらうのではない。余りといえば黄蓋こうがいが、曹操などという人物を買いかぶっているのを愍笑びんしょうしたまでだ」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旗本の程普ていふとか黄蓋こうがいなどとも駈け隔てられてしまい、祖茂そもという家来一人をつれたのみで、遂に、みじめな敗戦の陣地から、馬に鞭打って逃げ走った。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして左には黄蓋こうがいの旗じるしが見え、右には韓当の船が並び、その陣形は、あたかも鳳翼ほうよくを開くように迫ってきた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それそれ。それこそ、黄蓋こうがいの乗っている親船だ。彼、果たして約束をたがえず、今これへ味方に来るは、まさしく、わが魏軍を天が助けるしるしである」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中でも、その日、目ざましい働きをしたのは孫策軍のうちの黄蓋こうがいだった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
程普、黄蓋こうがい、韓当、蒋欽しょうきん、周泰などの十三将がつづいた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)