黄泉比良坂よもつひらさか)” の例文
境に黄泉比良坂よもつひらさかという名のあるのが不審なくらい、自由に人の世からき通う旅の神があり、また恋があり人情の葛藤かっとうがあった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ここに千引のいはをその黄泉比良坂よもつひらさかに引きへて、その石を中に置きて、おのもおのもき立たして、事戸ことどわたす時二〇に、伊耶那美の命のりたまはく
黄泉比良坂よもつひらさか坂本さかもとまで來た時に、その坂本にあつた桃のを三つとつてお撃ちになつたから皆逃げて行きました。
最後には女神めがみイザナミの命が御自身で追つておいでになつたので、大きな巖石をその黄泉比良坂よもつひらさかふさいでその石を中に置いて兩方でむかい合つて離別りべつの言葉をかわした時に
そこで黄泉比良坂よもつひらさかまで追つておいでになつて、遠くに見て大國主の命を呼んで仰せになつたには
かれここに黄泉比良坂よもつひらさかに追ひ至りまして、はるかみさけて、大穴牟遲おほあなむぢの神を呼ばひてのりたまはく
ここに御佩みはかし十拳とつかの劒を拔きて、後手しりへできつつ逃げ來ませるを、なほ追ひて黄泉比良坂よもつひらさか一八の坂本に到る時に、その坂本なるもも三つをとりて持ち撃ちたまひしかば、悉に逃げ返りき。