麝香草じゃこうそう)” の例文
白菖マートル麝香草じゃこうそうとが咲き乱れ、花陰では三、四人の侍女たちが清冽な水に白い脚をひたして笑い戯れながら、さっきから水遊びに余念もありません。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
……鳶尾根末かびねまつ亜鉛華あえんか麝香草じゃこうそう羊脂ようし魚膠ぎょこう雷丸油らいがんゆ疱瘡ほうそうで死んだ嬰児みずこ脳漿のうしょう、それを練り合わせた塗抹剤……お着けすることに致しましょう
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
夜の街路を通りゆく泥濘でいねいの箱車、塵芥ごみ捨て場のきたないたる鋪石しきいしに隠されてる地下の臭い汚泥おでいの流れ、それらは何であるか? 花咲く牧場であり、緑の草であり、百里香や麝香草じゃこうそう鼠尾草たむらそうであり
麝香草じゃこうそうに露の玉
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
プリゴネと称する薬草の液に浸し麝香草じゃこうそうの花を詰めて腐敗をふせぎ云々と書いてありますが、こういう習慣が
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
姫の屍体もまたプリゴネと称する薬草の液に浸し麝香草じゃこうそうの花を詰めて腐敗をふせぎ、金銀を象嵌ぞうがんしたる瑪瑙めのうの寝棺に納め、さらにこれを桃金花てんにんかの木にて造れるかくに入れ
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)