魔鳥まちょう)” の例文
一時ひとしきり魔鳥まちょうつばさかけりし黒雲は全く凝結ぎょうけつして、一髪いっぱつを動かすべき風だにあらず、気圧は低落して、呼吸の自由をさまたげ、あわれ肩をもおさうるばかりに覚えたりき。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、昼なおくらい木立のあいだから、いような、魔鳥まちょうばたきがつめたいしずくをゆりおとして聞えた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ア、ア、ア!」とばかり、捕手とりて軍卒ぐんそつがおどろきさわぐうちに、一ど、雲井くもいへたかく舞いあがった魔鳥まちょうは、ふたたびすさまじい天颷てんぴょうをまいてけおりるや、するどいつめをさかだてて、旋廻せんかいする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おお、島からとび立ったあやしい魔鳥まちょう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)