魔日まび)” の例文
「どうした、やはり化かされましたろう。……だから、言わねえこっちゃアねえ。なにしろ、初午は魔日まびですからな、ふッふ」
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そして暫くすると、アア、今日は何という魔日まびだろう。又しても、湯殿とおぼしき方角から、けたたましい悲鳴が聞えて来た。今度はゴリラ湯殿に待伏せしていたのかしら。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
かまひません、毎日まいにちのやうにまゐるんですから……まあ、にぎやかなところですのに……魔日まびつてふんでせう、こんなことがあるものです。おや、氣味きみわるい、……さあ、まゐりませう。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)