高直たかね)” の例文
高直たかねで買い取った馬は初め四のくいに登り立ち、数日後には四足を縮めて一の杭に立ち、よく主人を乗せ走りて毎日午前は筑紫午後は都で勤務せしめ
その町々の名をしるした紙ののぼりを押し立て、富有な町人などの店先に来て大道にひざまずき、米価はもちろん諸品高直たかねで露命をつなぎがたいと言って
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
祖父は着馴きなれぬ半纏被はんてんぎに身をやつして、孫の手を引きながら佐竹ヶ原から御徒町辺おかちまちあたりの古道具屋を見歩いたが、いずれも高直たかねで力及ばず、ようよう竹町の路地の角に
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
追々お話がなかばに相成りますから、これからが面白く成りますが、兎角開けぬ其の昔のお物語は嘘のようなお話が多いというのは、物成ものなりごくお安く、唯今では物価が高直たかね
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)