“物成”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
モノナリ66.7%
ものなり33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ものは物成モノナリなどのものと同様、農産の義と見えるが、或は漠然とした表し方で、王朝以来の慣用発想なる某——「モノ」なる観念に入れて、運勢をものと言うたのかも知れない。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
都びとには概念であつた「ものゝあはれ」は、沖の小島の人の頭には、実感として生きてゐた。少年の思ひ深げな潤んだ瞳は、物成モノナリのとり立てにせつかれたゞけでは、島の世間に現れようがなかつた。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
追々お話がなかばに相成りますから、これからが面白く成りますが、兎角開けぬ其の昔のお物語は嘘のようなお話が多いというのは、物成ものなりごくお安く、唯今では物価が高直たかね
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)