驚歎きょうたん)” の例文
それに比べてきわだつ感じをお受けになることもなかろうと思われるが、なお第一の嬋妍せんけんたる美人はこれであると院はこの時驚歎きょうたんしておいでになった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
雪之丞の自若じじゃくとした容子ようすに、驚歎きょうたんの目をみはっていた一人が、傍の、肩の尖った男にいいかけた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
私を見るや彼女の情熱死物狂い(その頃喫茶店インタナショナルの芸術家は珈琲コーヒーとフランス菓子に驚歎きょうたんして昆虫類が今後人間に代ってエゴイズムと排他主義、実行する。)
恋の一杯売 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
それだからかねのいることおびただしい。定額では所詮しょせん足らない。尼寺のおばさん達が、表面に口小言くちこごとを言って、内心に驚歎きょうたんしながら、折々送ってくれる補助金を加えても足らない。
大きな書棚に並べられた和洋の書籍を見てかの女等はいずれも驚歎きょうたんの声をあげる。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
娘自身も並み並みの男さえも見ることのまれ田舎いなかに育って、源氏を隙見すきみした時から、こんな美貌びぼうを持つ人もこの世にはいるのであったかと驚歎きょうたんはしたが
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)