馬幟うまじるし)” の例文
会津山おろし肌にすさまじく、白雪紛々と降りかかったが、人の用いはばかりし荒気大将佐々成政の菅笠すげがさ三蓋さんがい馬幟うまじるしを立て、是は近き頃下野の住人
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
織田三万の兵は、これをそれぞれの旗印馬幟うまじるしから見わけると、幾十隊に分れているか知れなかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉が憎んだ佐々成政の三蓋笠さんがいがさ馬幟うまじるしを氏郷が請うて、熊の棒という棒鞘ぼうざやに熊の皮を巻付けたものに替えたのは、熊の棒が見だてが無かったからと
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
旗や馬幟うまじるしの激流は、雲が谿間たにまを出るように、銅鑼金鼓どらきんこに脚を早め、たちまち野へひろがった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誰やら呼ぶ声に、ふと駒をとめて振向くと、金瓢きんぴょう馬幟うまじるしがすぐ眼にとまった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)