首座しゅそ)” の例文
ここで首座しゅそは、長者に代って九花の度牒どちょうを法座にささげ、新発意しんぼち魯達のために、願わくば“法名”を与えたまえとう。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
懐奘を首座しゅそに請じたのは道元三十七歳の暮れであるが、その時に彼は「衆の少きを憂ふることなかれ」と言っている。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
正面には長老、首座しゅそ、以下順に東西二列となって、紫金紅金しきんこうきん袈裟けさ光りもまばゆく立ち流れて見えたのは、維那いの侍者じしゃ監寺かんす都寺つうす知客しか、書記らの役僧たちか。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
懐奘を初めて首座しゅそしょうじた夜、道元は衆に向かって言った、——当寺初めて首座を請じて今日秉払ひんぽつを行なわせる。しゅの少なきを憂うるなかれ。身の初心なるを顧みるなかれ。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
一山のだんにより、さっそく首座しゅそ(僧職)がその旨を、智深にいいわたす。智深は、ふくれつらだった。たとえ、化主けす浴主よくすの末僧でも、なにか僧職の端にはと期待していたらしい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)