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饒舌
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ぜうぜつ
ふりがな文庫
“
饒舌
(
ぜうぜつ
)” の例文
平次もお萬の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
には、お禮を言ひたい程でした。中年女の舌を活溌に動かせる動機が何んであらうと、それは問題外として。
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
沈黙した海の水を見てゐると、
饒舌
(
ぜうぜつ
)
には十度の、沈黙には、一度の後悔があるといふ、格言を、富岡は、陸上と海上とを比較して考へさせられてゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
彼が数日を費して書き上げた何回分かの原稿は、今の彼の眼から見ると、
悉
(
ことごと
)
く無用の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
としか思はれない。彼は急に、心を刺されるやうな苦痛を感じた。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二台の馬車に、客はマバラに乗り込みぬ、去れど御者も
馬丁
(
ばてい
)
も
悠々
(
いう/\
)
寛々
(
くわん/\
)
と、炉辺に
饒舌
(
ぜうぜつ
)
を
皷
(
こ
)
しつゝあり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
夫の詞少きとはうらうへにて、この媼はめづらしき
饒舌
(
ぜうぜつ
)
なり。そなたは薊生ふる沙原より、われ等に授けられたるイスマエル(
亞伯拉罕
(
アブラハム
)
の子)なるぞ。されどわが
饗應
(
もてなし
)
には足らぬことあらせじ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
彼は自分がなかなか
饒舌
(
ぜうぜつ
)
であることを知つて驚いた程であつた。
日本三文オペラ
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
ああ大言のアイアース、汝何らの
饒舌
(
ぜうぜつ
)
ぞ!
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
尤も突き詰めた目顏に、溢れる誠意は疑ひやうもなく、世間並の奉公人のやうな
饒舌
(
ぜうぜつ
)
でないだけに、何んとなく
頼母
(
たのも
)
し氣なところがあります。
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それで書いたのが、この何枚かの愚にもつかない
饒舌
(
ぜうぜつ
)
である。だから
孟浪杜撰
(
まうらうづざん
)
の
責
(
せめ
)
は
寧
(
むし
)
ろ今自分の前に坐つてゐる、容貌
魁梧
(
くわいご
)
な紳士にあつて、これを書いた自分にはない。
饒舌
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
事態容易ならずと見ると、日頃の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
を封じて、平次の言ふ儘に、路地の向う側へ廻ります。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は乳母の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
を少し持て餘したやうに、側で默つて俯向いて居るお春を顧みました。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お千世の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
も其の問ひには容易に應へられさうもありません。それからお
優
(
いう
)
の聟や、この家の跡取のことも訊きましたが、お千世はこの問題にもあまり觸れ度くない樣子です。
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は八五郎の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
を封じて、
凝
(
ぢ
)
つと庵室の中を見廻しました。
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の聲は、間髮を容れずに、お六の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
を封ずるのです。
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は八五郎の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
を封じて、次を
促
(
うなが
)
しました。
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今日はよく/\中年女の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
に
祟
(
たゝ
)
られる日です。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
饒
漢検1級
部首:⾷
21画
舌
常用漢字
小6
部首:⾆
6画
“饒舌”で始まる語句
饒舌家
饒舌娘
饒舌廻
饒舌箱
饒舌続
饒舌録
饒舌愛嬌