ひもじ)” の例文
その中にあんまりひもじくなったので、今朝、雨が小止みになったのを幸ひ、その開墓を出て街に行った。
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)
お丹れて、「何もそんなに尋常ぶって、御辞退にも及びますまい。ひもじい腹なら食べるがいのさ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貧しい、ひもじい幾日が続きました。屈辱と穢汚えおの中に、私の自由は次第に蘇がえって行きます。私はもうすっかり虚無的ニヒリスティックな乞食根性になり済して、いつかの夜の冒険も忘れがちになって居りました。