“飯鮹”の読み方と例文
読み方割合
いいだこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ツンツンと上つて来て、草の上へ釣りあげると、ツサツサと小さい鋏を鳴らす。飯鮹いいだこはよく人の指を敵だと思つてからみつくが、エビは人の指を鋏む。
夏と魚 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
白魚しらうおよし、小鯛こだいよし、毛氈もうせんつかわしいのは柳鰈やなぎがれいというのがある。業平蜆なりひらしじみ小町蝦こまちえび飯鮹いいだこも憎からず。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
魴鮄ほうぼうひれにじを刻み、飯鮹いいだこの紫は五つばかり、ちぎれた雲のようにふらふらする……こち、めばる、青、鼠、樺色かばいろのその小魚こうおの色に照映てりはえて、黄なる蕈は美しかった。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)