頸骨けいこつ)” の例文
遂に一本の尖剣が発止はっし頸骨けいこつの髄を貫いて、牛は地響をたてて倒れました。同時に、私は側で、恋人が気を失っているのに気がついたのです。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
你公の頸骨けいこつがガツンと刃を食いとめたのだ。俺の手に伝わったそのガツンは、なんともはや、いやな感じだった。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
第一僕たちのような頸骨けいこつの固い謀叛むほん人に対して、大家先生たちが裏書きどころか、俺たちと先生がたとなんのかかわりあらんやだ。……ところで俺はいった。
ドモ又の死 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
犬の首ッ玉の耳の背後うしろよりも少し下った処……八釜やかましく云うと七個ななつ在る頸骨けいこつの上から三つ目ぐらいの処をチョイトつまむと、ドンナ猛犬でも頭がジインとなって、この人にはトテモかなわない。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
頸骨けいこつかっと鳴って、噴血の下、首は四尺も飛んだ。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)