頭中将とうのちゅうじょう)” の例文
だれであろう女王に恋をする好色男があるのだと思って、暗いほうへ隠れて立っていた。初めから庭にいたのは頭中将とうのちゅうじょうなのである。
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)
御仏名おぶつみょうの又の日の描写」、「頭中将とうのちゅうじょうに関する自伝的描写」、「則光のりみつに関する自伝的描写」をはさんで、物語られているのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
車の人は直衣のうし姿で、随身たちもおりました。だれだれも、だれだれもと数えている名は頭中将とうのちゅうじょうの随身や少年侍の名でございました
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
りっぱな風采ふうさいの源氏が静かに歩を運ぶかたわらで先払いの声が高く立てられた。源氏は車へ頭中将とうのちゅうじょう兵衛督ひょうえのかみなどを陪乗させた。
源氏物語:18 松風 (新字新仮名) / 紫式部(著)
この時に承香殿じょうきょうでん女御にょごの兄である頭中将とうのちゅうじょうが、藤壺ふじつぼの御殿から出て、月光のかげになっている立蔀たてじとみの前に立っていたのを、不幸にも源氏は知らずに来た。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ちょっとしたことが初めで頭中将とうのちゅうじょうがまだ少将でいらっしったころに通っておいでになるようになったのでございます。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
その本を取り出した置きだなにあった、それぞれ違った色の紙に書かれた手紙のからの内容を頭中将とうのちゅうじょうは見たがった。
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
頭中将とうのちゅうじょうは言って、自分の妹と源氏の中はこれに当たっているはずだと思うのに、源氏が目を閉じたままで何も言わぬのを、物足らずも口惜くちおしくも思った。
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
頭中将とうのちゅうじょうである。右大弁は老人であって、故院の御代みよにもむつまじくお召し使いになった人であるが、その人の作
源氏物語:18 松風 (新字新仮名) / 紫式部(著)
頭中将とうのちゅうじょうの耳にそれがはいって、源氏の隠し事はたいてい正確に察して知っている自分も、まだそれだけは気がつかなんだと思うとともに、自身の好奇心も起こってきて
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
と、自身の得る韵字いんじ披露ひろうしたが、その声がすでに人よりすぐれていた。次は頭中将とうのちゅうじょうで、この順番を晴れがましく思うことであろうと見えたが、きわめて無難に得た韵字を告げた。
源氏物語:08 花宴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
式部丞しきぶのじょうは話をことわっていたが、頭中将とうのちゅうじょうが本気になって、早く早くと話を責めるので
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
源氏の中将は青海波せいがいはを舞ったのである。二人舞の相手は左大臣家の頭中将とうのちゅうじょうだった。人よりはすぐれた風采ふうさいのこの公子も、源氏のそばで見ては桜に隣った深山みやまの木というより言い方がない。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
頭中将とうのちゅうじょう常夏とこなつの女はいよいよこの人らしいという考えが浮かんだ。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
頭中将とうのちゅうじょう左中弁さちゅうべんまたそのほかの公達きんだちもいっしょに来たのである。
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
そんな所へ頭中将とうのちゅうじょうが訪問してきた。
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)