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韻律
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いんりつ
ふりがな文庫
“
韻律
(
いんりつ
)” の例文
われわれの冒険者は、なんとなく自分の目がそういう繁栄を吸い、耳がそういった
韻律
(
いんりつ
)
に言い寄られているような気持だった。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
ふと、遠くの竹林の中から、まるでざわめく風の中からでも生れたかのように、わらべ達の合唱する
童謡
(
わざうた
)
が、美妙な
韻律
(
いんりつ
)
をひびかせながら、だんだんと聞えて来る。………
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
死体が僅かに身体をもたせかけた栗の木の、
幹
(
みき
)
の中程に、今年初めてのつくつく法師が、地獄の使者のような不吉な
韻律
(
いんりつ
)
を響かせながら、静かに、執拗に鳴いていたのだ。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
顔つきが、
腫
(
は
)
れぼったく、いつも、ややぎらぎらしている。彼は
怒鳴
(
どな
)
るように話をする。婦人に向かってさえもそうだ。
頸筋
(
くびすじ
)
の
皺
(
しわ
)
が、カラアの上で、
緩
(
ゆる
)
やかに
韻律
(
いんりつ
)
正しく波を打っている。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
その不思議な
韻律
(
いんりつ
)
は、曲と踊とが常に一緒に現れるからに依るのだと思います、あの悠大な沖縄の女詩人
恩納
(
おんな
)
なべの作の如き、全くそうであります。彼女は文字を知らない人だったといいます。
沖縄の思い出
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
▼ もっと見る
そのうちに、俊寛は、その叫び声の中に、ある
韻律
(
いんりつ
)
があるのに気がつく。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
……いま琴を弾じておるに、
幽玄清澄
(
ゆうげんせいちょう
)
の音いろ、にわかに乱れて、
殺伐
(
さつばつ
)
な
韻律
(
いんりつ
)
となった。かならず、窓外へきたものは、血なまぐさい戦場からさまようてきた落武者かなんぞであろう。……名を申せ。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お染さんは平気で
韻律
(
いんりつ
)
演説を続ける。
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
かれの神経は低級な音や、卑俗な、やるせなさそうな
韻律
(
いんりつ
)
を、むさぼるように受け容れた。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
“韻律”の意味
《名詞》
韻文における音の調子。音の時間的リズム、強弱、高低、あるいは長短等によるもの。
漢詩、特に近体詩における字音上の規則。平仄。押韻。
(言語学)発話における強勢、抑揚、リズムなど、一般に文字で記録されない性質。
(出典:Wiktionary)
韻
常用漢字
中学
部首:⾳
19画
律
常用漢字
小6
部首:⼻
9画
“韻”で始まる語句
韻
韻文
韻事
韻塞
韻僧
韻鏡
韻客
韻字
韻致
韻脈