露西亜ろしあ)” の例文
旧字:露西亞
第一 病気の敵 今や我邦わがくに露西亜ろしあに向って膺懲ようちょういくさを起しました。我が海陸軍は連戦連勝の勢いでしきりに北亜の天地を風靡ふうびします。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
露西亜ろしあの作家が平凡生活を書き、暗黒描写をして、尚お以上の愉悦の感興を与うるのをとするものである。
若き姿の文芸 (新字新仮名) / 小川未明(著)
せめて奥州、北海道、樺太かばふと乃至ないし大陸の露西亜ろしあとか西比利亜とかでなければ、本当の冬の趣味は分からぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
はなは、大連から露西亜ろしあへ、露西亜から亜米利加あめりかの方へ行つて見たいと云つてゐらつしやいました。
忘れ難きことども (新字旧仮名) / 松井須磨子(著)
露西亜ろしあよりのがれ来れる童子わらべらもはざまの滝に水あみにけり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
明治三十六年日蔭町で七円で買った白っぽい綿セルの背広せびろで、北海道にも此れで行き、富士ふじで死にかけた時も此れで上り、パレスチナから露西亜ろしあへも此れで往って
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
最早こゝでペンをさしおかねばなりません。願わくば神あなたの寂寥せきりょうを慰めて力を与え玉わんことを。願わくばあなたの晩年が、彼露西亜ろしあうるわしい夏のゆうべの様に穏に美しくあらんことを。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)