需要じゅよう)” の例文
実は会社は世の有為ゆういなる青年に向かって入ってくれと頼むようにも思われる、いわゆる需要じゅよう供給きょうきゅうとの相互に応じ合ったことである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
どこへ需要じゅようされてゆくのか、古道具屋のちりうずまったまま永年一朱か一でも買手のなかった鈍刀や錆槍さびやりまでが、またたく間に影を潜めてしまった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして蝸牛の需要じゅようは秋から冬にかけてであるため、その頃になると蝸牛は土の中にもぐってしまうから、養殖者は丁度ちょうどいもを掘るように木の棒で掘り出さなければならない。
異国食餌抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
まずなま乳汁ちちが飲めるようになり、家禽かきんが毎日卵を生む、これほどけっこうなことはないのだが、さて一とくあれば一しつありで、乳汁や卵ができると急に砂糖の需要じゅようがはげしくなる
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
この事業じぎょうにして果たして社会に必要あるものならば、それ相応の需要じゅようあらわれて、この会社も相応に繁昌はんじょうし、その結果相応の利益を得る。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
経済学者に言わすれば、これ需要じゅよう供給きょうきゅうの然らしむるところと、大雑把おおざっぱに一言で解決するであろうが、これを個人々々の場合に当てめると、人の問題は死んだ物件ぶっけんの需要供給とは大いにちがう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)