雌犬めいぬ)” の例文
その結果、雌犬めいぬの方が雄犬おいぬよりも一般に嗅覚が鋭敏であり、老いたる犬よりも、若い犬の方が鋭敏であることを知りました。
新案探偵法 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
つまの花瀬は最前より、物陰にありてくだんの様子を、残りなくながめゐしが。身は軟弱かよわ雌犬めいぬなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
白の主人の彼は此犬をにくんで、打殺そうとしば/\思った。デカがうちは、此犬もピンに通うて来た犬の一つであった。其犬すら雌犬めいぬのピン故に、ピンの主人の彼に斯くびるのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
たしなみの良いなら、滅多なことで人樣に愛嬌を振りくものぢやねえ——雌犬めいぬだつて毛嫌ひつてものがあらア、——十人も二十人もの若い男を矢鱈やたら無性に引付けるのは、容易ならぬ怪物えてものと思はないか
「馬鹿野郎、白の雌犬めいぬだってチラつくものか」