雁来紅けいとう)” の例文
旧字:雁來紅
庭の桔梗ききょうの紫うごき、雁来紅けいとうの葉の紅そよぎ、撫子なでしこの淡紅なびき、向日葵ひまわりの黄うなずき、夏萩の臙脂えんじ乱れ、蝉の声、虫のも風につれてふるえた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
洋妾らしやめんめける雁来紅けいとう
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
雁来紅けいとうむを相図に、夜は空高くかりがする。林の中、道草の中、家の中まで入り込んで、虫と云う虫が鳴き立てる。早稲が黄ろくなりそめる。蕎麦の花は雪の様だ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)