“陣馬（じんば）” の例文
で——まッ赤（か）な逆光線（ぎゃっこうせん）の夕やけに照（て）らされている小太郎山（こたろうざん）の上、陣馬（じんば）ヶ原（はら）いちめんは、不可思議（ふかしぎ）な自然美（しぜんび）にもえあがっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
景信（かげのぶ）と陣馬（じんば）ヶ原（はら）の山々は、半ば雲霧に蔽（おお）われ、道志（どうし）、丹沢（たんざわ）の山々の峰と谷は、はっきりと見えて、洞然（どうぜん）たるパノラマ。
大菩薩峠：21 無明の巻 (新字新仮名) ／ 中里介山(著)
竹童（ちくどう）はヒラリと身をかえして、また以前（いぜん）のお花畑（はなばたけ）から陣馬（じんば）ヶ原（はら）を馳（か）けぬけて、愛鷲（あいしゅう）クロを飼（か）っておく深林（しんりん）のくぼへ走りこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
侍（さむらい）のくせにして、慾に目がくらんで味方（みかた）を売る裏切（うらぎ）りもの、多くの部下（ぶか）の見せしめのため、陣馬（じんば）ヶ原（はら）で討（う）ち首にしてあげる
神州天馬侠 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)