かしら)” の例文
サタンは天使のかしらで神に次ぐものであつたといふのに、老蛇なぞと言はれてはずゐぶん身分が堕ちてしまつて気の毒に思はれる。
ミケル祭の聖者 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
クレーヴシン わしも、やっぱり、琴手ことひきだ、聖僧どるいどではないが。わしは琴手ことひきクレーヴシンというもの、大王コナイリイ・モルの将軍であり楽人のかしらでもある。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
さまで美しというにあらねど童には手ごろの生き物ゆえかしら寵愛ちょうあいなおざりならず、ただかの青年わかものにのみはその背を借すことあり。青年わかものは童の言うがまにまにこの驢馬にまたがれど常に苦笑いせり。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
もしまたサタンが天使のかしらであつたのなら、ミカエルは天使のかしらでなく、その次席であつたらうか? そんな筈はない。
ミケル祭の聖者 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
海洋の支配者マイケルが聖書に出てくる天使のかしらマイケル(ミカエル)と同一であるかどうかはわからないが、たぶんは、さうだらうと言はれてゐる。
ミケル祭の聖者 (新字旧仮名) / 片山広子(著)