かね)” の例文
旧字:
いかにも殿の申さるるように、天蓋山にかねあるによって発掘致さばよろしからんと、最初に殿におすすめ致したはこの老人に相違ござりませぬ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おかしき男かなと思いてさまざまの事を問うに、極めて石をずる癖あるおじにて、それよりそれと話のついでに、平賀源内の明和年中大滝村の奥の方なる中津川にてかねりし事なども語り出でたり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
……それに老師は今日まではいつもそれがしの話相手として輔弼ほひつの任を尽くされたばかりか天蓋山にかねありと最初に発見なされたのも、その発掘をこのそれがしに進められたのも老師でござった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)