鉄網てつあみ)” の例文
旧字:鐵網
山家やまがの茶屋の店さきへ倒れたが、火のかっと起つた、囲炉裡いろり鉄網てつあみをかけて、亭主、女房、小児こどもまじりに、もちを焼いて居る、此のにおいをかぐと
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
廊下にとも金行灯かなあんどん二尺にしゃく四方もある鉄網てつあみ作りの行灯を何十台も作り、そのほか提灯ちょうちん手燭てしょく、ボンボリ、蝋燭ろうそく等に至るまで一切取揃とりそろえて船に積込つみこんだその趣向は
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
この窓のガラスは、鉄網てつあみのはいった厚いガラスだから、これをやぶって、はいることはむずかしい。窓は四つあるが、みんな、ちゃんと、かけがねがかけてある。
夜光人間 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
用ゆる時は鉄網てつあみの上へ魚を載せて今のサラダ油とバターとをかわがわる匙でたらしながら火のとおるように焼きます。もしや魚のあぶらが火へ落ちて燃え上ったらば塩を少し火の中へ入れると燃えがみます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)