金子かねこ)” の例文
竹柏園ちくはくえんの一流、その他尾上おのえ金子かねこなどの一流とすなわち今日のいわゆる新派とはほとんど関係がないと思います、第一趣味の根底が違ってますからね。
子規と和歌 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
万来舎では今の金子かねこ子爵、その他相馬永胤そうまながたね目賀田めがた男爵、鳩山和夫はとやまかずお等が法律を講ずるので、保も聴いた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いつか我が懶惰らんだの習ひにや馴れ染めけん、かつは日頃親しく尋来たずねきたる向島の隠居金子かねこ翁といふ老人のすすめもありてや、浮世の夢をよそに、思出多き一生を大久保の里にうず
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
のお藤と云う隣座敷のお客を車に乗せて引出しまして、伊香保の降り口から一挺車を雇いまして、女中を乗せて渋川へ下りて、金子かねこへ出まして、金子から橋を渡り北牧きたもくへ出まして
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さても生駒家の用人ようにん留守居等は玄關脇げんくわんわきの座敷にひかへ居けるに暫時しばらく有て御徒目付青山三右衞門再び出立迎の乘物のりものしまりの儀御心得有べきやと云へば金子かねこ忠右衞門加川新右衞門の兩人御念ごねんの入たる御尋ねしまりの儀は錠前ぢやうまへに及ばざる旨御書付にまかせ錠は付申さず候へども警固けいご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)