重厚じゅうこう)” の例文
とは、しんの男子の態度であろう。男もこの点まで思慮しりょが進むと、先きに述べたる宗教のおしうる趣旨にかのうてきて、深沈しんちん重厚じゅうこう磊落らいらく雄豪ゆうごうしつとの撞着どうちゃくが消えてくる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
と、重厚じゅうこうなよろい武者の部隊が、泣きさけぶ女たちを突きもどし、その中の部将らしい者が
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、御落胆ごらくたんなさいますな。失敗もしてみなければ、人生の嶮路けんろはわかりません。失敗の反省こそ、その人間に重厚じゅうこうな味と深みを加えてゆくので、失敗は、天の恩寵おんちょうだと思わねばなりません。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)