ざと)” の例文
そういう中でも、ことに我々の心を動かすのは、ニルヤという海のかくざとの消息が、この方面から次々と伝わってくることである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「ウーム、さすがは伊那丸、もうこのかくざとをさぐりつけてまいったか。よもやまだ四、五日は大丈夫と、たかをくくっていたのが、この昌仙のあやまり、ああ、こりゃどうしたものか……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鼠の浄土は財宝にちたるかくざとで、人間の住む村から目と鼻というほどにも近いところにある。正直爺しょうじきじいさんが招かれてそこにってみると、沢山たくさんの鼠が集まって
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)