たっし)” の例文
吟味の前月までに組々の支配頭へ願書を出しておくと、当日五ツ半(午前九時)までに聖堂に出頭せよというたっしがある。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
入獄者一同を見廻りおり、今度の紀元節を以て、憲法を発布あらせらるべき詔勅しょうちょく下り、かつかたじけなくも入獄者一同に恩典……といいかけしに、看守はさえぎりてその筋よりいまだ何らのたっしなし
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
さてこれらの浪人に対して、幕府はどういう処置をとっているか?『他所ヨリ牢人者(浪人者の事)参リ所有度由申候ハバ吟味ノ上、御断申可シ』——追っ払ってしまえとたっしを出している。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)