連銭葦毛れんせんあしげ)” の例文
鹿毛かげ連銭葦毛れんせんあしげなどの話のあるところ、黒んぼが駱駝にのつて沙漠をゆくところなど一枚二枚と読んでもう終りにちかい元寇の章まできた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
黒門の代々の伝説は虚構ではなかった、彼は緋縅ひおどし大鎧おおよろいておらず金鍬形きんくわがたかぶともかぶっていない。連銭葦毛れんせんあしげの駒にも乗っていないし若くもない。
似而非物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一頭は黒白毛、一頭は連銭葦毛れんせんあしげの、二頭とも稀に見る逸物であった。義仲はそれに銀の鞍をつけ、白山神社へ戦勝のお礼のために神馬として遣わした。
いうまでもなく連銭葦毛れんせんあしげなどは、何か教訓的な言葉を聴かせて貰いたくて堪らないのだが、いつもはあれほどのお喋りの馭者が、今は手綱をだらりと握ったまま
大坪流の古高新兵衛はたくましい黒鹿毛くろかげ、八条流の黒住団七は連銭葦毛れんせんあしげ、上田流の兵藤十兵衛は剽悍ひょうかんな三さい栗毛くりげ、最後に荒木流の江田島勘介は、ひと際逞しい鼻白鹿毛はなじろかげに打跨りつつ
緋縅ひおどし大鎧おおよろいて、竜頭りゅうず金鍬形きんくわがたの付いたかぶとをかぶって、連銭葦毛れんせんあしげの馬に乗った美しい若武者が迎えに来る、光り耀かがやくような若い大将が、それがお登女の花婿である。
似而非物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
重代のきせなが唐革縅からかわおどしよろいをかつがせ、自分は赤地の錦の直垂ひたたれ萌黄匂もえぎにおいの鎧を着こみ、金覆輪きんぷくりんの鞍置いた連銭葦毛れんせんあしげに乗った姿は、絵にも筆にも及び難しと人々は賞めそやした。
マニーロフ家の召使連の接待もてなしにすっかり好い御機嫌になっていた馭者が、右側に繋がれた連銭葦毛れんせんあしげ測馬わきうまに、なかなか穿うがった小言を浴びせていることにも、いっこう気がつかなかった。
栗色や『議員』だけではなく、連銭葦毛れんせんあしげまで甚く機嫌が悪かった。