通詞つうじ)” の例文
蘭館では饗宴の席を設け、奉行並に奉行所役人、通詞つうじ出島乙名でじまおつな、その他友人、蘭館出入りの者を招いて盛な酒宴を催してこの日を祝う。
けれども段々きいて見ると、その時に条約を結ぶと云うがめに、長崎の通詞つうじ森山多吉郎もりやまたきちろうと云う人が、江戸に来て幕府の御用を勤めて居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ある日、露艦の水兵がウオトカの空罎を日本人にくれたというので、通詞つうじの森山栄之助があわてて飛んできた。
空罎 (新字新仮名) / 服部之総(著)
ソコで尋常一様の洋学者や通詞つうじなどうような者が漢学者の事を悪く云うのは普通の話で、余り毒にもならぬ。所が私は随分ずいぶん漢書をよんで居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
大小通詞つうじ、松浦家の諸役人、お徒士かちなど百二十人に附添われ、青銅の大臼砲二門、鉄製の象限儀しょうげんぎ四個、前車二、充弾、空弾、爆弾四〇個、小臼砲(これも実用にはならぬ古物だったが)一門、前車一
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
小藩でも大家たいけの子だから如何どう我儘わがままだ。もう一つは私の目的は原書を読むにあって、蘭学医の家に通うたり和蘭通詞つうじの家に行ったりして一意専心いちいせんしん原書を学ぶ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)