通帳かよひ)” の例文
私はその折ひとに貸す程の金を持合せてゐなかつたし、それに折角質屋の通帳かよひがあるとにらむで来た小説家にもそれでは済まなかつた。
あつちにちやぜにらねえな、煙草たばこぷくふべえぢやなし、十五日目にちめ晦日みそかでそれまでは勘定かんぢやうなしでそのあひだこめでもまきでもみんな通帳かよひりてくれえなんだから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
私はあきれて相手の顔を見た。相手は私のうちのどこかに質屋の通帳かよひの二つか三つは懸つてゐさうな眼つきをしてゐた。
「妙な事があればあるもんですね。昨日きのふ丁度君のやうな人が来て、通帳かよひは借りてきましたよ。」