“躑躅(つゝぢ)” の例文
力に右の足のみにて飛び/\に歩く苦しさ云(いは)ん方なし小松交りの躑躅(つゝぢ)の花の美しきも目には入(い)らず十間歩くを一里とも二里とも思ひなせど痛き顏を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
此間(このあひだ)迄向(むかふ)の土手にむら躑躅(つゝぢ)が、団団(だんだん)と紅白(はく)の模様を青い中(なか)に印してゐたのが、丸で跡形(あとかた)もなくなつて、のべつに草が生(お)い茂つてゐる高い傾斜の上(うへ)に、大きな松(まつ)が何十本となく並んで
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
見上(みあぐ)る山には松にかゝりて藤の花盛りなり見下(みおろ)せば岩をつゝみて山吹咲こぼれたり躑躅(つゝぢ)石楠花(しやくなげ)其間に色を交へ木曾川は雪と散り玉と碎け木曾山は雲を吐き烟(けぶり)を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
仕掛流(ながれ)の末には杜若(かきつばた)など咲き躑躅(つゝぢ)盛りなりわづかの處なれど風景よし笠翁(りつをう)の詩に山民習得(ならひえ)て一身慵(ものう)し間(かん)に茅龕(ばうがん)に臥し倦(うみ)て松に倚(よ)る却(かへつ)て辛勤(しんきん)を把(とつ)て澗水(かんすゐ)に貽(おく)る曉夜を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)