賢察けんさつ)” の例文
二万五千ドルの懸賞はとりもなおさず御子息チャアリイの首にかけたもの、それは、明らかにチャアリイの犠牲を前提としていることを御賢察けんさつありたい。
チャアリイは何処にいる (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
ここにちゃんとけえてあるんだ。ご賢察けんさつ奉願上候ねがいあげたてまつりそうろう。芝入舟町甚七店じんしちだな束巻き師源五兵衛と所名まえがはっきりけえてあるんですよ。ひと飛びにあっちへ行ったほうが早道なんだ。
分てつかはせし程のことゆゑ私し心底御賢察けんさつ下されたく萬一右等の儀を遺恨ゐこんに思ふ程ならば五ヶ年の間た千辛萬苦せんしんばんくしてたくはへたる金子をいかに叔母成ばとて分てはつかはしませぬ是意旨いし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「むろん、ご賢察けんさつのごとくでござりましょう」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
關宿せきやどへ縁談の媒人なかうど迄も仕つり候程のことにて兄弟の如くまじはり候中に付何とてかれを殺害など仕つるべきや此儀何分御賢察けんさつ下され御慈悲じひの程をひとへに願ひ上奉つると申立れども伊奈殿はかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
切害致したる儀是以て一かう覺え御座なく候何卒私し儀つみ無きの次第しだい賢察けんさつねがひ奉つり候と申立るに越前守殿いや其儀はなほ追々おひ/\吟味に及ぶ汝ぢ鈴ヶ森にて三五郎を殺せしみぎり非人共見屆たるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)