貴君方あなたがた)” の例文
母「只今文治の云う通り内輪だけのことで、改まって婚礼をするときは貴君方あなたがたにも知らせる積りでございます」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
貴君方あなたがたが上等の二連銃をたずさえて汽車に乗って遠い所へ雉子打きじうちにお出掛なさると随分費用もかかりましょう。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
貴君方あなたがたに取って遊戯であることが、我々に取っては死である、と。青木君の死際しにぎわの云分も、つまりそれなのです。貴女は、青木君の死を単なる奇禍きかだと思ってはいけません。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
其所そこ來合きあはせた一紳士しんしが、貴君方あなたがたなにをするんですかととがめたので、水谷氏みづたにし得意とくい考古學研究かうこがくけんきう振舞ふりまはした。其紳士そのしんししきりに傾聽けいちやうしてたが、それではわたくし仲間なかまれてもらひたい。
貴君方あなたがたに対して飛んだ不調法をしたと申す事だが、何分にもお聞済みがないので、わしは馴染の事でもあるにって、重吉手前は顔売る商売じゃ、なり代って詫びてくれいって頼まれまして
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)