貯金ちょきん)” の例文
わたしたちはいつもかれの欲張よくばりをからかっていた。かれは一スー、二スーと貯金ちょきんしてしじゅう貯金のたか勘定かんじょうしていた。
貯金ちょきんだけをたのしみに、倹約けんやくにくらしているような人だから、人のいやがるこのふべんなみさきの村へきたのも、つきあいがなくてよいと、じぶんからの希望であったというかわだねだった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
ひとのやさしみというものをしみじみとあじわわなかったわたしは、せめてきわだけなりと、医者いしゃにかかってしんせつにしてもらいたいとおもって、くるしいなかから、これだけの貯金ちょきんをしたのである。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのきっかけは、だまりやの吉次が、山出しをしてもうけた貯金ちょきんをおろして申しこみをしたことにあるようだった。吉次がゆけば、どうしたってだまっていられないのがソンキであった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
あなたの貯金ちょきんで買ってくれた雌牛めうしは、わたしにとっては世界じゅうのおくり物のこらずもらったと同様です。よろこんでください。雌牛もたいそうじょうぶで、相変あいかわらずいいちちを出しますから。
「そのかわり、旅行のお金、倍にして貯金ちょきんしてもらうん」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)